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- 代表的なテキスタイルについて
骨董の世界では、100年以上の古いものをアンティーク、100年未満の比較的新しいものをヴィンテージと
呼び区別しています。
インド綿布ではインドやパキスタン、バングラデシュなどの中央アジアで長い間受け継がれてきた伝統工芸品
のラリーキルトを、広くヴィンテージと呼んでいるようです。
・カディ
現在、手紡ぎ手織りの布を「カディ」と呼びます。
インド独立時にガンディーが自ら糸車を回して糸を紡ぎ、布を織り、羽織っていたのが カディと呼ばれる
手紡ぎの布です。
手織り・手紡ぎの布には様々な特徴があり、糸の撚り(より)が柔らかい為に吸湿性・速乾性に優れていて、
冬は暖かく感じられ、適度なネップ(糸のムラ)があって、冬とは逆に夏は涼しく感じられることなどが
挙げられます。
・カンタキルト
インドベンガル地方に伝わる、伝統的な刺し子が施されたキルト。
・ジャムダニサリー
ジャムダニ(Jam dar)とは、ペルシャ語で“花の織物”のこと。世界で最古の織物として、ユネスコ世界無形
文化遺産にも登録されてる織物で、サリーはインド人の民族衣装のことをいいます。
元来は薄いダッカモスリン(ベンガル地方で織られる世界に誇る極細番手のコットン生地)で織られるペイズリー
や幾何学模様などの柄を、縫い取り織りで撚り(より)出す技法で織られていました。
以前は、経糸も綿でしたが、現在は細い綿糸を紡げる職人や糊を付ける職人がいなくなった為、経糸はシルクで、
緯糸のみ綿糸を使い織られています。
・タンガイルサリー
タンガイル地方で織られるサリーで、その優美なデザインが特徴となっています。
ジャカードにより、模様を織り出しています。経糸はシルク、緯糸は綿です。
・ノクシカタ
“ノクシ”はベンガル語で「デザイン」・“カタ”(カンタ)は「パッチワークされた布」を意味し、古くから
バングラデシュに伝わる刺し子です。
古いサリーやルンギ(男性の腰に巻く布)を重ねて縫い合わせていて、使用するサリーも調達された完全な
再利用品とも言えます。
運糸は最も重要なステッチです。
独創的で素晴らしい波模様を作り出したり、地を埋め尽くし独特の質感を与えたりします。
後年ではチェーンステッチ、杉綾、クロスステッチなど他のステッチも使用されるようになり、質感の
バリエーションも広がっています。
美しい縫い取りをした物などは結婚に際し、娘に持たせる花嫁道具でもあり、結婚式の会場の床に敷かれ
使用されたりなどしていました。
特にデザイン性の高いものを「ノクシカタ」と呼び、インド発展のためのNGOなどにより主要な輸出品目の
一つとなっています。
・ブロックプリント
代表的なインド染色の技法でもあるブロックプリントの伝統的な色は、クリームまたは灰色の地色に、赤と黒と
黄色のプリントを施すもので、モチーフは一般的に、花や葉ですが、近年では新しいデザインの色や組み合わせ
など、新しいものが作られるようになってきています。
重ねる版の技術などは職人技と言わざるを得ず、それはそれは素晴らしい手法なのです。