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インドにおけるキャリコ(calico)と呼ばれる平織りの綿織物が、17世紀終わり頃からヨーロッパに伝わったとされています。
素材的には、軽くてしなやかさが特徴なのですが、風をはらんだその布の風合い、柔らかさは他に類をみないほどの魅力なのです。

ヨーロッパには、綿花の栽培と綿工業が無かった為、インドからやってきた綿織物は大変な人気を博しました。
人々に愛されたキャリコでしたが、その歴史を辿ってみると、イギリスの産業革命とその背景にあった悲しい歴史がみえてくるのです。

イギリス統治の時代、紀元前から脈々と培われたこの国の手織り産業はいったん壊滅しました。
産業革命が、上質なインド綿への憧憬を契機に起きたことは、知られるところです。

イギリスは、インドからただ同然で綿花を買い上げ、代わりに安価な機械織りの布をインドに大量に運び入れ、インド国内産業を崩壊させたのでした。

ガンディーの時代には、もう誰もチャルカ(糸車)を回してはいなかったのです。

そうして、100年にも及ぶイギリスによる植民地支配と産業革命は、職人から仕事や能力どころか意欲さえも奪い、インド人は自分たちが誰よりも優れた糸の紡ぎ手であった事すらも忘れてしまったのです。